大容量アダプタでiPhone5Sを急速充電できるか検証しました
iPhoneの充電には付属していた小さな白い5Wアダプタを使用している人が多いと思います。でも、アップルではiPad用にもっと大容量の10Wアダプタや12Wアダプタも売っています。iPadもiPhoneも持っているという人は、iPhoneもiPad用の大容量アダプタで充電しているというケースも多いと思います。
何を隠そう私もiPad miniのretinaに付属していた10Wアダプタを使用して充電しています。ちなみにこのような使用方法はアップルでも動作確認していて公認されています。
そして巷ではアップル純正の大容量アダプタを使ってiPhoneを充電した方が充電速度が速いという噂まで流れています。そこで、本当なのかを検証しました。使用した機器は以下の通り
- iPhone5S (iOS8.2適応済み 購入後10ヶ月使用したもの)
- アップル純正10Wアダプター (iPad Retinaに付属していたもの)
- SEIKO製ストップウォッチ (100均のやつとは段違いの正確さ)
- USB電流電圧チェッカー (サンワサプライ製)
充電条件
- iPhoneは放熱アルミ板の上に載せて高温にならないようにした
- 充電は電池残量40%(±1%)からスタート
- 充電中のデータ通信はwifiのみ
実験結果
iPhone5Sに10Wアダプタを使用したときの電池残量と電力の推移は以下のようになりました。
結論をいうと、iPhone5Sの場合は10Wアダプタを使用しても5Wの充電(つまり1A)が限界だということが分かりました。よって、iPhone5Sの充電スピードは10Wアダプタを使おうが5Wアダプタを使おうが同じです。
あと意外にきれいなグラフができたので、目的以外の考察をしますと
- 充電残量が75%以上になると電流値が下がり始め、電池残量90%以上では供給電力が約2Wになる
- 0~55分の領域の電力を積分して電池残量が39%から96%になるまでの電力量(Wh)を求めると、電池の57%分が3650mWhであることがわかり、そこから電池容量を逆算するとiPhone5Sの電池容量は6400Whとなる。
これはiFixitが報告しているiPhone5Sの電池容量5928mWh(3.8V/1560mAh)と近い値になっており、USB電流モニタから電池容量を推測することも可能であることが分かった。
電流チェッカーの悪影響について
アダプタとケーブルの間に電流チェッカーをかませたから10Wで充電できなかったのでは?と考える人もいると思いますが、iPad Retinaを同様の方法で充電した場合は9Wの出力で充電できていました。
ですので、電流チェッカーが原因で充電出力が小さくなったとは考えられません。
念のため、純正の5W USB電源アダプタと10W USB電源アダプタでどのくらい充電速度が違うのか確認しました。
10Wアダプタと5Wアダプタの充電速度比較(iPhone5S)
やはり、充電速度は変わりませんでした。
使用した10Wアダプタと5Wアダプタ
iPhone5Sの場合は12W USB電源アダプタや10W USB電源アダプタを使用しても充電速度は同じです。
※iPhone6やiPhone6plusは大容量電源アダプタを使用した方が充電が早くなります。